■水環境と環境汚染 |
水道水の根元は雨水ですが、実際に水源となっているのは河川からの取水と地下水で、その比率は7:3であるといわれています。これら水源から取り込んだ水を、自治体の水道局が浄化処理をして水道管に送っているわけです。
高度経済成長の時代に、工業廃水が河川にそのまま流されたことによる公害病が深刻な問題となったこともあり、水質汚濁防止法等によって現在では河川や地下水に悪影響を及ぼすような排水の垂れ流しは厳しく監視されています。また、もともと自然の生態系には自浄作用が備わっています。ある程度の水の汚れは、自然の食物連鎖の中で解消されるはずでした。しかしながら、この自浄作用を上回る汚染の原因となっているのが生活排水です。生活排水は、炊事や洗たく、入浴など生活の中で排水されるもので、海や川を汚す最大の原因となっています。生活排水の中には有機物や洗剤などの汚濁物質が含まれており、これら汚染物質が水の自浄作用を越えてしまうため、水質が汚染されることになります。また、水質が汚染されることで、自浄作用そのものが失われています。平成16年現在、全国の下水道普及率は66.7%。より一層の下水道普及が望まれる理由は、こんなところにもあります。 |
■飲めるの?飲めないの? |
水源となる川や地下水・湖の水は、徐々に改善されつつあるとはいえ、直接飲むことはできません。では、これらを水源とする水道水はどうでしょう?
水道水は日本全国どこであっても、水道法に基づく水質基準に適合する品質が保証されています。水道水はまず、河川等の取水口から取水場に取り込まれ、そこから水道水の源水として、浄水場に送られます。浄水場では、沈澱池において源水に薬品を入れて、小さなにごりを固めて沈澱させ、取り除きます。次に、塩素による消毒が行われます。一般に「カルキ臭い」と言われる水道水のにおいはこの消毒時の塩素が残留するための臭いです。元来、塩素は残留性が高く、水道法の基準でも、蛇口の段階で1リットル当たり0.1mg以上の塩素が残っていなければならないことになっています。また、夏場は気温が高く、バクテリア等の増殖を防ぐために塩素を多めに入れていることがあります。最後に、沈澱池で取り除けなかった微少な濁りを濾過池で取り除き、配水場に送り出します。
このように濾過、消毒された水はもちろん飲むことが可能です。塩素や発ガン性のあるトリハロメタンなどが含まれてはいますが、人体に影響のあるレベルではありません。 |
■美味しく飲みたい |
水道水は人体に害はありません。でも、美味しいとはいえません。(都市部などでは特に)
しかしながら最近では、高度浄水処理(かび臭の原因となる物質、カルキ臭のもととなるアンモニア性窒素などを取り除き、トリハロメタンのもととなる物質などを減少させる処理法)を導入する自治体などもあり、水の味も良くなってきているようです。それでも、気になる方はやはり、浄水器や煮沸(湯冷まし)、備長炭を入れてみるなどといった方法で対処するのが良いようです。 |
■参考リンク |
□環境白書
・表紙ページ
・水質調査データページ(健康項目一覧)
□東京都水道局 |
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