業務概要
近年、水資源を巡っては渇水や自然災害の激甚化、水インフラの老朽化が顕著となってきており、これらを背景として需要主導型の「水資源開発の促進」からリスク管理型の「水の安定供給」へ水資源政策の転換が進められています。
令和4年度における全国の水道普及率は、98.3%と高くなっていますが、一方で、老朽化や耐震化の遅れが問題となっています。耐用年数を超えた水道管路の割合が年々上昇しており、平成29年度には16.3%となっています。
一方、水道施設の耐震化の進捗状況を見ると、令和3年度末現在、水道施設のうち基幹的な管路の耐震適合性のある管の割合は約41.2%、浄水施設の耐震化率は約39.2%、配水池の耐震化率は約62.3%であり、まだまだ地震に対する備えが十分であるとはいえない状況です。
当社では、災害等による大規模かつ長期的な断水のリスクを軽減するために、上水道施設の耐震診断や補強設計を行っています。
また、送・配水管設計や基幹管路網計画・設計等のハード対策をメインとして、ソフト対策と組み合わせることで、安全で安心できる水を安定利用できる仕組みを作り、水の恵みを将来にわたって享受できる社会づくりを目指しています。
実施項目
- ■ 浄水・配水施設設計
- ■ 基幹管路網計画・設計
- ■ 送・配水管設計
- ■ 水管橋設計
- ■ 耐震性貯水槽設計
- ■ 施設耐震診断・補強設計
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実施事例1
業務名 | 管路整備計画策定業務 |
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所在地 | 埼玉県久喜市 |
発注者 | 久喜市上下水道部 |
数量 | 上水道管路整備計画策定 1式 ・管路の更新診断 ・幹線管路ルート及び工法概略検討 ・事業実施計画の策定 |
実施内容 | 久喜市内全体の基幹管路(配水本管)の更新診断により、優先的に整備を進める為の整備計画を策定する事を目的とし、路線の選定、配水区域間を連絡する新たな基幹管路(配水本管)の検討、災害時の拠点となる重要給水施設への耐震化整備路線選定、配水支管を含めた地震に強い管網ネットワーク構築の検討を行いました。この計画に沿って将来に渡って整備を進めることで、基幹管路(配水本管)を含めた管網全体としての耐震性向上を図るだけでなく、配水区域間連絡管路による配水の安定化などの効果が期待できます。 |
実施事例2
業務名 | 水管橋実施設計業務 |
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所在地 | 埼玉県入間市 |
発注者 | 入間市上下水道部 |
数量 | 水管橋実施設計 ・トラス補剛形式水管橋詳細設計 L=30m ・送水管及び配水管詳細設計 L=150m |
実施内容 | 新設する送水管φ450と配水管φ200のルート上に位置する一級河川霞川を水管橋にて横断する必要があることから、水管橋を新設するにあたっての関係機関からの許可条件確認や事前協議の同行、許可条件に適合した占用位置と水管橋形式選定、周辺環境への影響を考慮した施工方法の検討を行いました。河川横断方法は検討結果より「四弦トラス構造の添架専用橋にステンレス鋼管を添架する方法」を採用しています。また、測量・地質・試掘調査を含めた基礎調査をもとに立案した設計計画にて関係機関との協議、同意を得た上で工事発注に必要な設計図書の作成を行っています。 |
実施事例3
業務名 | 中大口径配水管の基本設計業務 |
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所在地 | 神奈川県横浜市 |
発注者 | 横浜市水道局 |
数量 | 配水管布設替基本設計 ・新設管路の布設方法の検討及び撤去管路の検討 φ500mm L=1780m |
実施内容 | 老朽化した配水管を新しいものにするために、現地条件を考慮した上で施工可能な工法を選定し、布設替の方法を提案するための基本設計を行いました。 設計場所は工業地帯に隣接する産業道路であり、バスやトラック等大型車両の通行が多く、他企業の埋設物が多く埋設されているため、工法の選定が困難な区間でした。 検討の結果、開削工法による同時撤去布設を基本として、同位置での布設替が困難な箇所は開削工法による別占用位置での布設替としました。水路横断部や橋が残置されていて開削工法が不可能な箇所については、推進工法による布設替を提案しました。新設管と別占用となる既設管については撤去の可否を検討し、一部残置として提案しました。 また、今後詳細設計を行うにあたり、鉄道会社との協議資料の作成、工区分割および測量、試掘、ボーリング調査の提案も行いました。 |
実施事例4
業務名 | 配水管布設替詳細設計業務 |
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所在地 | 山梨県上野原市 |
発注者 | 東部地域広域水道企業団 |
数量 | 配水管布設替詳細設計 ・重要給水管路布設替え詳細設計 φ50~150mm L=1900m |
実施内容 | 水道管はインフラの中でも人命に関わる重要な施設であるが、老朽化が進んでおり、老朽した水道管は破裂・抜け出しなどの事故を引き起こし、水の供給を止めてしまう可能性が高くなっています。また、災害時でも迅速に各家庭に水道が供給できるように、水道管路は早急な耐震化対策が求められています。 本業務では、学校や送配水施設を含む重要給水施設管路において、老朽化した配水管を耐震性が高い管路に更新するために、配水管布設替工事を行うための詳細設計を行いました。 既設配水管との連絡位置・既設送水管の占用位置を考慮して占用位置を決めるとともに、施工時の断水を最小限とするために、各戸への仮設給水管の布設も合わせて検討しました。 |